2014年11月25日

超貴重な安土桃山時代の盤双六資料、『双六書』(1583)

 と、タイトルに書きましたが、草場純さんにいただいた資料は「翻刻 双六書」。タイトル通り、「双六書」(1583年)を翻刻したものです。(翻刻者は島居清さん)


 さて、その「双六書」!
 これが実に素晴らしい資料なのです。

 今まで盤双六の資料といえば江戸時代のものがほとんど。それがこの資料は安土桃山時代なのですよ! お陰で見たことがない内容が盛り沢山!


 はじめの方の翻刻を抜き出してみると……。


一 人の打さいをかく事一番のうちに二度かくへからす大切の時一度成へしさいを凡かくもひたりの手にて右の手くひをとらふるように仕御さいみ申候はんとてかくへし

一 我か打さいを人のかく事貴人ならは我か左の手へうつし可渡同程の人ならは左の指を筒へそゆるやうに敵の手に移へしさいを返事筒尻我左へ引やうに番の上へこほすへし

一 双六打時物いわす番の上石かゝらす筒いわ手つきせすわうくせす高あかりせす久あんせす筒久ふらす又てうよはすしかり打せす吉さいふきはらふ石つよくかけす惣而か様の事共人に見おとさるへからす


 などなど……。
 意味がほとんどわからないのはさておき、なんともまあ、今まで読んできた盤双六資料とはまた違った内容がたくさん書かれていそうなのが素晴らしいです!


 番は盤でしょうし、さいはサイコロのことでしょう。筒は筒で、石は駒のこと。
 と考えると、例えば引用した最後の文は、「共人に見落とさるへからず」という内容から、打つときの注意かも、と思えたりします。(古文さっぱりな管理人のことはあまり信用しないように)
 「高あかりせす」は「高(い所の)灯りはダメ」ってこと……?(手が影を作って、イカサマをさせる隙を与えるのはよくないとか?)
 「久あんせす」は、打つときに長考すぎる(久しく案ずる)のはよろしくないとか?


 などなど、いろいろ推理できて楽しいです。
 こういうのが3ページ分ずらりとあり、しかも双六の盤面図も掲載されています。


 正直、現時点で研究はまったく進んでおりません。(いや、資料を送っていただいた草場純さんはすでにいろいろと研究されているのですが)
 ……が、ここに全部引用するのは大変ですので、興味ある方はCiNii論文にありますので、そちらからご利用ください。(手続きは必要かと思いますが、だれでも入手できると思います)


 CiNii論文:翻刻 双六書


 
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2014年11月24日

温知業書 第11編(1914年)

 こちらも草場純さんから頂いた盤双六資料。
 1914年に刊行された温知業書の11巻に「雙陸」の項目があり、盤双六の文献などが紹介されている。


 そこで気になったのが、室町時代中期に書かれた「壒嚢鈔」(あいのうしょう:室町時代中期に編纂された辞典)を引用した箇所。

壒嚢鈔巻三に、双六の名目

 相見 品能 扣子 平賽 乞虫 入破
 採居 立入 袖隠 透筒 要簡 定筒


 と引用されている。


 よくわからない言葉の羅列だけど、第一感だと、これマナーやイカサマへの注意の話なのかなあ……と。

 たとえば「袖隠」となると、袖に隠したイカサマサイコロを使うものが連想できる。
 イカサマ関連だと思って「平賽」を見ると、どこかが潰れてある目が出やすくなった平らなサイコロが連想できるし、採居はサイコロをそのまま置き続ける現代の「置きサイ」のようにも思える。

 でもマナーだと思って読むと、「袖隠」は手が隠れるような袖はいけません、という注意のように思えるし、「採居」はサイコロはちゃんと動かすまでそのままにしましょう、と書かれているように思える。「平賽」はちゃんと平らなサイコロを使いましょうね、と。

 なんにせよ、「壒嚢鈔」(あいのうしょう)を見ないとダメだということだけど、こういうよくわからないものを適当に推理して楽しむ時間は楽しいということで……。


 
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2014年11月23日

梶浦浩二郎『雙六の遊び方』(1968)

 10月下旬、草場純さんからたくさんの資料を頂いていました。
 梶浦浩二郎『雙六の遊び方』(1968)もその一つで、本双六のルールが書かれています。


 【現在のバックギャモンとの違い】
 1.2個サイコロを振り、大きい目を出したほうからスタートする。(初手にゾロ目がありうる)
 2.サイコロを振り、出た目の数だけ石をすすめる。(ゾロ目2倍ボーナスはない)
 3.陣地に入れば終了。(ベアリングオフはない)
 4.「無地勝」を「最も名誉ある大勝」としている。(ただし、ギャモン勝ち、バックギャモン勝ちのように、ルールや点数に踏み込んではいない)


 【今まで紹介してきた書にはない用語など】
 ・剥げる〔はげる〕:プライムを超えられず、インナーボードの6ポイント5ポイントを空き地にしてしまうこと。(本文中の用例→『内六地や内五地などが「剥」げて空地となり、それから相手の石を切っても、空地に用意に置いて直ぐ帰進してしまう。)


 
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2014年11月15日

高田馬場ブリッジセンターで本双六の大会が開催!

 草場純さんに教えていただきました。
 2014年11月29日土曜日19時〜21時半、本双六の大会を東京都新宿区の高田馬場ブリッジセンターで開催するとのことです。参加費は400円。

 場所:高田馬場ブリッジセンター

 興味のある方は是非!


 
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2014年11月02日

盤双六史上の大発見! 「雙陸手引抄」

雙六手引抄0.png

 遊戯史研究家にして、書籍などでたくさんのゲームのルールを紹介されている草場純さんに、「今回の目玉」といい添えて資料を送っていただいた時、本当に驚きました。
 今までずっとそうだと信じられていた「ある定説」が完全に覆ったからです。

 それが掲載されているのが1679年(延宝七歳)に書かれた『雙陸手引抄』。


■ 定説を覆す箇所

 まずは、その場所の画像を御覧ください。


1_85.jpg

2_85.jpg

 バックギャモンをプレイされている人がご覧になると、「え? 珍しい形かもしれないけど、これあり得る陣形じゃない?」と思えるかもしれません。でも、盤双六とバックギャモンの両方知っている人が見たらどうでしょう。
 少なくとも、私は「ええええええ!」となりました。

 その理由なのですが……。
 これ、盤外に出ているコマって、「盤双六には存在しない」と言われ続けてきた「ベアリングオフ」をした後のコマですよね!?
 というのも、「切って=ヒットして」外に出ているコマなら、こんな陣形がありえるはずがないですし。ヒットされた駒なら、こんなに貯まる前にボードの中に入ってきてるはずですし。(ものすごい確率でゾロ目などを振り続けたら別ですが……でも、そんな状況をわざわざ書で解説するとは思えません)


 ベアリングオフがあったと思われる図は他にもあります。


3_85.jpg

4_85.jpg
 
 上の2つの図のように、「もし、ベアリングオフがないルール」=「先に自分の陣地に全部コマを入れたら試合はそこで終わり」なら、わざわざサイコロ振らなくてもいいじゃん……と思われる解説があるのです。(というのも、ベアリングオフがないルールなら、後一回降ったら終わり、あるいはすでに終わっている陣形なのですから)


 よって結論。

 1679年当時、盤双六にはベアリングオフがあったのです!


 ※ですが、1811年に発表された『双六独稽古』にはベアリングオフのルールはありません。つまり、1679年から1811年の間にルールの変遷があったのではないか、と草場純さんは推測されています。


■ この『雙陸手引抄』はだれでも見れる!

 草場純さんが所蔵している龍谷大学に持ちかけ、お金を払ってマイクロフィルム化してもらったそうです。そのお陰で、今ではだれでもオンライン上にある資料を見ることができるのです!
 草場純さん本当にありがとうございます!


 雙六手引抄(龍谷大学図書館 貴重資料画像データベース)


 と、いうわけで。この素晴らしき宝の山──『雙陸手引抄』をご覧になって何かお気づきになられた方、よろしければ案や説などをご教授いただければ幸いです。
 本当、研究はまだまだ手付かずに近い状態のようですので。


 
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2014年05月09日

「ミリオンシャンテンさだめだ!!」に登場するボード

ミリオンシャンテン001.JPG

 『ミリオンシャンテンさだめだ!!』の4巻の31話扉絵に、バックギャモンボードが登場していたのを発見したので紹介。


 
posted by 六郎 at 00:00 | Comment(0) | アニメや漫画などでの登場事例 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする